まどろんだ、意識。 口の中にあったはずの飴は消えていた。 飲み込んだ唾はあまったるいレモン どこに行けば君にあえるのかと、ひとり妄想していた。 さみしいとあの日言った人はどうしたんですか。 星を見上げていた人はどうしたんですか。 訊ねたら、馬鹿にしたように笑いましたね、 自意識過剰なおほしさま。 そんなにきらきらしなくたって、あなたの名前は覚えてますよ。 ああ、でもおほしさまが私の名前を覚えていなければ、なんの意味も持たないのでした。 熱にうなされて、塩水はまくらに吸われていきました。 まくらはその暑苦しさに迷って蒸発していきます。 呪いは頭の中にはいってきて、勝手気ままに居座るのです。 探したって見つからないじゃないか! なんだ、なんだ、やっぱり嘘なのか。 俯いたけども、やっぱり君はあらわれない。 どうかどうか、いつものようにしていておくれ。 そうでなきゃ、俺はどうしたらいいのかわからない。 薬はもう飲んだので大丈夫です。 忙しそうにあなたは去っていくのですね。 熔 20071202 |