ひかりが消えれば俺も隠れてみえなくなる。
そうすれば俺に触れられるものはなくなる。


それが寂しいことなのか、悲しいことなのか、喜ぶべきことなのか
未だにわからない。


手をのばした筈なのに、歩をすすめたはずなのに。
俺はまだそこにいた。
視界はいつまでもひらけないままだ。
脳内ばかりが冴えてゆく。


俺はいまどんなかおをしている?


痛みばかりが全身を覆う。
小さな幸福感に俺は寒気を覚えた。


裏切りだと、叫ぶ声がきこえた。
同じものばかりが繰り返し過ぎていく。


可笑しいね、といったお前は気づいたら隣にいなかった。


それが寂しいことなのか、悲しいことなのか、喜ぶべきことなのか
未だにわからない。


逃げて、隠れて、でも、おまえなら俺を見つけてくれるのだろう。








20071201