動かなくなるからだ。
まるで鎖にでもつながれたよう。
もがけばもがくほど喰い込んでゆくソレ。


薄霧のかかった世界は酷くはかなげ。
走馬灯はびゅんびゅんとあたまの中を駆け巡って。
重いまぶたはゆっくりと閉ざされた。


奪われていくぬくもり、身体はもう冷たい。
一筋、あたたかいソレは塩のあじ。





仮死


20071206